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#navi(silver)
**光と風の環 <始まりの刻 2> [#fb8a21dd]
RIGHT:''&color(#ffdab9,#000){著者:真悠};''
RIGHT:&counter;
閃光と共に消え去っていったラグフュウドの意識体。
消え去ったというより、無理に圧力をかけて散り散りにさせた…...
【強引に&ruby(りんねてんしょう){輪廻転生};から外したのか...
カザマの言葉にセイルがきっぱりと言い放つ。
「ふん…。&ruby(はな){最初};っから輪廻転生を拒んでいたのは...
それに……宣戦布告は派手にしておくのが一番だ。」
自信に満ちた笑みを唇の端に浮かべるセイル。宣戦布告? ...
「そんな顔するな。何があってもお前をあいつにゃ渡さないか...
そのためにセイルは再び危険な目にあうの? そんな事が良...
【……どうやって奴と戦うつもりだ? あやつらの力は借りんと...
「動き出さなければ、どうにも出来ないだろうが。じっと耐え...
それに……俺と言う存在を介して、夢見での超常力を蓄えてるん...
不敵な笑みを浮かべ、両手の指をパキパキと鳴らすセイル。...
その姿に思わず&ruby(みと){見惚};れて、ゴクリと喉を鳴らす。
【全く……そなたとて似たようなものではないか。神々から架せ...
「……似たような想い? まぁ……そりゃ確かに否定はしないが…な...
「違うわよ! セイルはあの悪魔とは全く違うわ。似ても似つ...
あたしの言葉に驚いたような顔をするカザマとセイル。
「フィン?」
【愛し子よ?】
同時に何故?と尋ねるような問いかけがあった。
「だ、だって……。違うもの。封印を解いて欲しかったセイル。...
でも……あいつは、同じような意味でも違う。
あたしを手に入れ、それと同時に自分の肉体を復活させ、あた...
あたしの咄嗟の言葉にカザマが溜息を吐き、セイルが苦笑す...
ふと、あたし達の側にあった泉が、光を&ruby(たた){湛};えそ...
あまりの突然な出来事に身じろぎも出来ないあたしの前に立...
水のしぶきが、夜だと言うのにきらきらと、光を浴びたかのよ...
青い光の珠が、ゆっくりと人の形を成す。
「ミズナ…?」
【ほう…久方ぶりだな。我が同胞よ。】
セイルが呆れたようにその名を呼ぶ。そしてカザマはその唇...
一度…いえ二度だけ出会った事のある水霊王。あたしには殆ど、...
水霊王のミズナは、カザマと違い、人の形となっても男性なの...
「…なんだって、ミズナが現れる? 俺も呼んではいないぞ。」
【つれない事を言いますね。セイクリッド。貴方と私のつなが...
「……不気味な事言うな。何の用だ?」
セイルが深い溜息をついた後、頭を抑えている。
【本当に…どうしたのだ? 我が同胞ミズナよ。そなたが出てく...
カザマの言葉にもクスクス笑うミズナ。
【カザマまで、そんな事を言うのですか? 深い意味はありま...
ただ、貴方がいつまで経っても私の&ruby(めぐ){恵};し子であ...
【…やはり、か。道理で同胞達からの言葉が多い訳よ……。】
カザマは、ミズナの言葉に深い溜息をつく。ミズナは、何の...
【そうですね、理由が必要とあれば、後二つあります。
一つは貴方が、育んでいる愛し子を再び観察するため。そして...
「ミズナ!? お前…何を突拍子もない事を言いやがる。寒気が...
【……ミズナ……。愚かしい事は言わぬ事だ……。】
セイルとカザマが、ミズナに&ruby(しんらつ){辛辣};に言わ...
【…相も変わらず美しいですね。カザマの愛し子である貴女の笑...
なるほど、これならカザマだけではなく、私の恵し子であるセ...
「え?」
「ミズナ!」
【ミズナ…。】
あたしの驚きと共にセイルとカザマが同時にミズナを&ruby(...
【カザマ…貴方の愛し子に言わなければならない事があるでしょ...
貴方が言わなければ、私、もしくはエンラ、ジオ、そしてルシ...
「ちょ、ちょっと待て! 何であいつ等まで…!」
「そ、それって自然界の聖霊王達!?」
セイルとあたしの言葉にますます優美な微笑を浮かべるミズ...
そう言えば…ラグフュウドに邪魔される前に、カザマが何かを言...
【ふむ、他の同胞達が、我が愛し子に茶々を入れるのは…あまり...
「…ミズナ。何を企んでいる? お前だけじゃない。他の聖霊達...
セイルの睨みつけも効果がないようにミズナが微笑む。何と...
【愛し子よ。】
カザマが不意にあたしに声をかける。返事も出来ずにカザマ...
【そなたは、このセイクリッドと共にあやつの超常力を跳ね除...
「どうするって……。」
カザマの問いかけに言葉に詰まってしまった。
「だから、お前達は何を言いたいんだ? 茶々を入れるだけな...
セイルが何かを言いかけた時に、あたし達の周りで信じられ...
暖を取るために点けていた焚き火が、激しく燃え盛り炎の柱と...
そして、朝になったかと思われるほどの激しい光が、あたし達...
涙が出るほど幻想的な出来事に、あたしはしばし絶句していた。
「お…前等…! 一体何しに!」
セイルの言葉の端に怒りがこもっていた。
【…全く…同胞達揃って、&ruby(ものみゆさん){物見遊山};とは…...
カザマの呆れたような言葉に人の形を取った聖霊王達がクス...
その様子は圧巻だった。自然界の聖霊王達が、一堂に会する...
恐怖ではないけれど知らず知らずのうちに身体が震え出してい...
【大丈夫ですよ。カザマの愛し子であるエルミア? 私達は別...
ミズナがニッコリ微笑む。
【ほう? あの時と比べて随分弱々しくなったものよ。まぁ、...
【……ふむ、弱くなったと言うよりは…何をして良いか判らぬと言...
【人である以上、光あれば闇もまたありますわ。あの時我等を...
【カザマが創世の娘から受けた&ruby(やくじょう){約定};がこ...
それぞれの聖霊王が口々に告げる。まさか、また新たな運命...
【…そうなるやも知れぬ。だが、誤解するでない。宿命は元々代...
カザマの言葉にゴクリと喉がなる。運命が…本当に変えられる...
【実際に変えたではないか、カザマの愛し子よ。神々が示した...
闇の聖霊王ルーグがクスクス笑う。セイルが何かに気付き、...
「ちょっと待て! まさかお前等が揃ってここに来たのは!」
【セイクリッド、貴方は少し黙っていてくださいね。我々は貴...
「な…んだと!?」
【しばしの間…この中に入っておれ。何…こちらの声も聞こえる...
大地の聖霊王ジオが、そういうなり、セイルの身体は透明な...
それは、ほんの一瞬の出来事。聖霊の王達って、彼をも閉じ込...
【これが効くのは、ほんのわずかな刻だけ。セイクリッドが本...
火の聖霊王エンラが楽しそうにクスクス笑う。
【…小粋な事を…。愛し子よ、その前に我等の前でそなたの気持...
それでも…共に生きて行きたいか?】
カザマの言葉に考えるより先に頷いてしまっていた。
「あたしは、定められた寿命を持つ人間だけど…そのわずかな刻...
【セイクリッドが、創世に生まれ圧倒的な力を持っているから...
【…己が有利であればそれで良いと言うのが、人間と言うものの...
【あれを待ってる者すらも、踏み越えんとしますか。愚かの極...
【……己が寂しいから縛り付けるのが、そなたの想いか。そのよ...
【貴女が、生きている間は良いでしょう。では、貴女がその命...
聖霊王達の聞きたくない言葉に身体が震える。
聖霊王達にとっては、創世に生まれたセイルがエリュクスの元...
何も言い返せない自分が情けない。そう思った瞬間に悔しさの...
創世の娘であるエリュクスと…あたしが比べようがない事なん...
セイルの力を利用している? ええそうだわ。くだらない人間...
貴方達聖霊に比べたら、愚かしいただのちっぽけな存在よ。
あたしは確かに、貴方達やエリュクスなら出来るであろう、セ...
身体が震え、不意に顔を上げたその先には、セイルが光の球...
セイルと別れてしまうなんていやよ。胸が痛い、心も身体も粉...
確かにセイルがいなくても…あたしは生きていけるかもしれな...
そう、生きていけるわ。ただ生きていくだけなら……!
ギュッとこぶしを握り締め、唇をかみ締めて聖霊王達を睨みつ...
「貴方達の言う通りよ。すべて。どうせあたしはちっぽけな存...
エリュクスと比べたって比べようがないのは、貴方達の方がよ...
あたしの風の超常力だって、カザマ達風霊が与えてくれたもの...
それも元を&ruby(ただ){糺};せばエリュクスが、カザマに頼ん...
でも仕方ないじゃない…それでもセイルを好きなんだから!」
あたしの感情が高ぶった目茶苦茶な言葉を唖然としながら聞...
光の球体の中にいるセイルすらも驚きを隠せない表情をしてい...
「セイルを好きになるのに、愛するだけなのにそれには条件が...
貴方達は知らないでしょうけれどね、貴方達がバカにするよう...
#br
そう言いながら、涙が&ruby(こぼ){零};れ落ちるのが止めら...
【……ですって。良かったですね、セイクリッド? 貴方が選び...
水の聖霊王ミズナが明るく声を出したと同時に、セイルを包...
そして他の聖霊王達はその顔に苦笑を浮かべていた。な…に? ...
【良いんじゃないか? その激しい気性、セイクリッドといい...
火の聖霊王エンラがさも面白そうに笑い出す。
【ふん…創世の娘以外、我等聖霊王に人の愛を説いた者など、耐...
大地の聖霊王ジオが深い溜息をつく。
【ふふ、ちっぽけで超常力はないと言っていたけれど、己の光...
光の聖霊王ルシリスが、嬉しそうにクスクスと笑っている。
【確かに、そして己の中にある闇を言葉にするとは…さすがはカ...
闇の聖霊王ルーグすらもうっすらと唇に笑みを浮かべる。
【カザマ、我等はすでに彼女を認めましたよ。創世の娘との約...
水の聖霊王ミズナが極上の微笑でカザマにそう言った。
約定? エリュクスと聖霊王達が交わしたもの。それって一体...
カザマは満足そうな笑みを浮かべ、あたしの方に向き直った。
【愛し子よ。そなたがセイクリッドと共に生きていくために、...
「カザマ?」
「……さっき、ミズナが同じ事を言っていたな。どういう事だ。」
聖霊王達は笑みを浮かべ、カザマの言葉を待っていた。
【これからの世界に生きて行くつもりであろう? セイクリッ...
だがそのままでは、共に生きていく事は不可能。】
「なっ!」
あたしは愕然としてしまった。そしてセイルは反論しようと...
【そう、これから遥か先の世界では、部分的にしか&ruby(ちぼ...
カザマの言葉に戦慄があたしの身体を駆け抜けた。いつか、...
いやだ……そんな事。がくがくと震えるあたしの身体。
セイルが厳しい顔つきでカザマに言い放つ。
「…だから? 父上や母上の元に戻れってか? それだけはごめ...
「セイル! どう言う事なの!?」
思わず、セイルの腕を握り締めて叫んだあたしに微笑を向け...
「まぁ…、いつかはどんなものでも終わりが来るって事だよ。」
「いやよ! そんなの!」
「フィ……フィン?」
あっさりしすぎているセイルの言葉が堪たまらずに抱きつい...
【…それを止める手段がない訳ではない。】
カザマの言葉に刻が凍りつき、それがしばらく経ってから動...
「止める手段が…あるの? それは……本当なの?」
あたしの言葉にカザマや聖霊王達が頷く。
「どうやって? 教えて、お願い。あたしに出来る事ならなん...
あたしの言葉に聖霊王達が優しく微笑んでいた。カザマは呆...
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**光と風の環 <始まりの刻 2> [#fb8a21dd]
RIGHT:''&color(#ffdab9,#000){著者:真悠};''
RIGHT:&counter;
閃光と共に消え去っていったラグフュウドの意識体。
消え去ったというより、無理に圧力をかけて散り散りにさせた…...
【強引に&ruby(りんねてんしょう){輪廻転生};から外したのか...
カザマの言葉にセイルがきっぱりと言い放つ。
「ふん…。&ruby(はな){最初};っから輪廻転生を拒んでいたのは...
それに……宣戦布告は派手にしておくのが一番だ。」
自信に満ちた笑みを唇の端に浮かべるセイル。宣戦布告? ...
「そんな顔するな。何があってもお前をあいつにゃ渡さないか...
そのためにセイルは再び危険な目にあうの? そんな事が良...
【……どうやって奴と戦うつもりだ? あやつらの力は借りんと...
「動き出さなければ、どうにも出来ないだろうが。じっと耐え...
それに……俺と言う存在を介して、夢見での超常力を蓄えてるん...
不敵な笑みを浮かべ、両手の指をパキパキと鳴らすセイル。...
その姿に思わず&ruby(みと){見惚};れて、ゴクリと喉を鳴らす。
【全く……そなたとて似たようなものではないか。神々から架せ...
「……似たような想い? まぁ……そりゃ確かに否定はしないが…な...
「違うわよ! セイルはあの悪魔とは全く違うわ。似ても似つ...
あたしの言葉に驚いたような顔をするカザマとセイル。
「フィン?」
【愛し子よ?】
同時に何故?と尋ねるような問いかけがあった。
「だ、だって……。違うもの。封印を解いて欲しかったセイル。...
でも……あいつは、同じような意味でも違う。
あたしを手に入れ、それと同時に自分の肉体を復活させ、あた...
あたしの咄嗟の言葉にカザマが溜息を吐き、セイルが苦笑す...
ふと、あたし達の側にあった泉が、光を&ruby(たた){湛};えそ...
あまりの突然な出来事に身じろぎも出来ないあたしの前に立...
水のしぶきが、夜だと言うのにきらきらと、光を浴びたかのよ...
青い光の珠が、ゆっくりと人の形を成す。
「ミズナ…?」
【ほう…久方ぶりだな。我が同胞よ。】
セイルが呆れたようにその名を呼ぶ。そしてカザマはその唇...
一度…いえ二度だけ出会った事のある水霊王。あたしには殆ど、...
水霊王のミズナは、カザマと違い、人の形となっても男性なの...
「…なんだって、ミズナが現れる? 俺も呼んではいないぞ。」
【つれない事を言いますね。セイクリッド。貴方と私のつなが...
「……不気味な事言うな。何の用だ?」
セイルが深い溜息をついた後、頭を抑えている。
【本当に…どうしたのだ? 我が同胞ミズナよ。そなたが出てく...
カザマの言葉にもクスクス笑うミズナ。
【カザマまで、そんな事を言うのですか? 深い意味はありま...
ただ、貴方がいつまで経っても私の&ruby(めぐ){恵};し子であ...
【…やはり、か。道理で同胞達からの言葉が多い訳よ……。】
カザマは、ミズナの言葉に深い溜息をつく。ミズナは、何の...
【そうですね、理由が必要とあれば、後二つあります。
一つは貴方が、育んでいる愛し子を再び観察するため。そして...
「ミズナ!? お前…何を突拍子もない事を言いやがる。寒気が...
【……ミズナ……。愚かしい事は言わぬ事だ……。】
セイルとカザマが、ミズナに&ruby(しんらつ){辛辣};に言わ...
【…相も変わらず美しいですね。カザマの愛し子である貴女の笑...
なるほど、これならカザマだけではなく、私の恵し子であるセ...
「え?」
「ミズナ!」
【ミズナ…。】
あたしの驚きと共にセイルとカザマが同時にミズナを&ruby(...
【カザマ…貴方の愛し子に言わなければならない事があるでしょ...
貴方が言わなければ、私、もしくはエンラ、ジオ、そしてルシ...
「ちょ、ちょっと待て! 何であいつ等まで…!」
「そ、それって自然界の聖霊王達!?」
セイルとあたしの言葉にますます優美な微笑を浮かべるミズ...
そう言えば…ラグフュウドに邪魔される前に、カザマが何かを言...
【ふむ、他の同胞達が、我が愛し子に茶々を入れるのは…あまり...
「…ミズナ。何を企んでいる? お前だけじゃない。他の聖霊達...
セイルの睨みつけも効果がないようにミズナが微笑む。何と...
【愛し子よ。】
カザマが不意にあたしに声をかける。返事も出来ずにカザマ...
【そなたは、このセイクリッドと共にあやつの超常力を跳ね除...
「どうするって……。」
カザマの問いかけに言葉に詰まってしまった。
「だから、お前達は何を言いたいんだ? 茶々を入れるだけな...
セイルが何かを言いかけた時に、あたし達の周りで信じられ...
暖を取るために点けていた焚き火が、激しく燃え盛り炎の柱と...
そして、朝になったかと思われるほどの激しい光が、あたし達...
涙が出るほど幻想的な出来事に、あたしはしばし絶句していた。
「お…前等…! 一体何しに!」
セイルの言葉の端に怒りがこもっていた。
【…全く…同胞達揃って、&ruby(ものみゆさん){物見遊山};とは…...
カザマの呆れたような言葉に人の形を取った聖霊王達がクス...
その様子は圧巻だった。自然界の聖霊王達が、一堂に会する...
恐怖ではないけれど知らず知らずのうちに身体が震え出してい...
【大丈夫ですよ。カザマの愛し子であるエルミア? 私達は別...
ミズナがニッコリ微笑む。
【ほう? あの時と比べて随分弱々しくなったものよ。まぁ、...
【……ふむ、弱くなったと言うよりは…何をして良いか判らぬと言...
【人である以上、光あれば闇もまたありますわ。あの時我等を...
【カザマが創世の娘から受けた&ruby(やくじょう){約定};がこ...
それぞれの聖霊王が口々に告げる。まさか、また新たな運命...
【…そうなるやも知れぬ。だが、誤解するでない。宿命は元々代...
カザマの言葉にゴクリと喉がなる。運命が…本当に変えられる...
【実際に変えたではないか、カザマの愛し子よ。神々が示した...
闇の聖霊王ルーグがクスクス笑う。セイルが何かに気付き、...
「ちょっと待て! まさかお前等が揃ってここに来たのは!」
【セイクリッド、貴方は少し黙っていてくださいね。我々は貴...
「な…んだと!?」
【しばしの間…この中に入っておれ。何…こちらの声も聞こえる...
大地の聖霊王ジオが、そういうなり、セイルの身体は透明な...
それは、ほんの一瞬の出来事。聖霊の王達って、彼をも閉じ込...
【これが効くのは、ほんのわずかな刻だけ。セイクリッドが本...
火の聖霊王エンラが楽しそうにクスクス笑う。
【…小粋な事を…。愛し子よ、その前に我等の前でそなたの気持...
それでも…共に生きて行きたいか?】
カザマの言葉に考えるより先に頷いてしまっていた。
「あたしは、定められた寿命を持つ人間だけど…そのわずかな刻...
【セイクリッドが、創世に生まれ圧倒的な力を持っているから...
【…己が有利であればそれで良いと言うのが、人間と言うものの...
【あれを待ってる者すらも、踏み越えんとしますか。愚かの極...
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【貴女が、生きている間は良いでしょう。では、貴女がその命...
聖霊王達の聞きたくない言葉に身体が震える。
聖霊王達にとっては、創世に生まれたセイルがエリュクスの元...
何も言い返せない自分が情けない。そう思った瞬間に悔しさの...
創世の娘であるエリュクスと…あたしが比べようがない事なん...
セイルの力を利用している? ええそうだわ。くだらない人間...
貴方達聖霊に比べたら、愚かしいただのちっぽけな存在よ。
あたしは確かに、貴方達やエリュクスなら出来るであろう、セ...
身体が震え、不意に顔を上げたその先には、セイルが光の球...
セイルと別れてしまうなんていやよ。胸が痛い、心も身体も粉...
確かにセイルがいなくても…あたしは生きていけるかもしれな...
そう、生きていけるわ。ただ生きていくだけなら……!
ギュッとこぶしを握り締め、唇をかみ締めて聖霊王達を睨みつ...
「貴方達の言う通りよ。すべて。どうせあたしはちっぽけな存...
エリュクスと比べたって比べようがないのは、貴方達の方がよ...
あたしの風の超常力だって、カザマ達風霊が与えてくれたもの...
それも元を&ruby(ただ){糺};せばエリュクスが、カザマに頼ん...
でも仕方ないじゃない…それでもセイルを好きなんだから!」
あたしの感情が高ぶった目茶苦茶な言葉を唖然としながら聞...
光の球体の中にいるセイルすらも驚きを隠せない表情をしてい...
「セイルを好きになるのに、愛するだけなのにそれには条件が...
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火の聖霊王エンラがさも面白そうに笑い出す。
【ふん…創世の娘以外、我等聖霊王に人の愛を説いた者など、耐...
大地の聖霊王ジオが深い溜息をつく。
【ふふ、ちっぽけで超常力はないと言っていたけれど、己の光...
光の聖霊王ルシリスが、嬉しそうにクスクスと笑っている。
【確かに、そして己の中にある闇を言葉にするとは…さすがはカ...
闇の聖霊王ルーグすらもうっすらと唇に笑みを浮かべる。
【カザマ、我等はすでに彼女を認めましたよ。創世の娘との約...
水の聖霊王ミズナが極上の微笑でカザマにそう言った。
約定? エリュクスと聖霊王達が交わしたもの。それって一体...
カザマは満足そうな笑みを浮かべ、あたしの方に向き直った。
【愛し子よ。そなたがセイクリッドと共に生きていくために、...
「カザマ?」
「……さっき、ミズナが同じ事を言っていたな。どういう事だ。」
聖霊王達は笑みを浮かべ、カザマの言葉を待っていた。
【これからの世界に生きて行くつもりであろう? セイクリッ...
だがそのままでは、共に生きていく事は不可能。】
「なっ!」
あたしは愕然としてしまった。そしてセイルは反論しようと...
【そう、これから遥か先の世界では、部分的にしか&ruby(ちぼ...
カザマの言葉に戦慄があたしの身体を駆け抜けた。いつか、...
いやだ……そんな事。がくがくと震えるあたしの身体。
セイルが厳しい顔つきでカザマに言い放つ。
「…だから? 父上や母上の元に戻れってか? それだけはごめ...
「セイル! どう言う事なの!?」
思わず、セイルの腕を握り締めて叫んだあたしに微笑を向け...
「まぁ…、いつかはどんなものでも終わりが来るって事だよ。」
「いやよ! そんなの!」
「フィ……フィン?」
あっさりしすぎているセイルの言葉が堪たまらずに抱きつい...
【…それを止める手段がない訳ではない。】
カザマの言葉に刻が凍りつき、それがしばらく経ってから動...
「止める手段が…あるの? それは……本当なの?」
あたしの言葉にカザマや聖霊王達が頷く。
「どうやって? 教えて、お願い。あたしに出来る事ならなん...
あたしの言葉に聖霊王達が優しく微笑んでいた。カザマは呆...
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